薫ヶ丘だより

本校野球部近藤勇之祐主将が長野大会で選手宣誓

5日(土)に開会した第107回全国高等学校野球選手権長野大会において、本校野球部の近藤勇之祐主将(高78)が選手宣誓を行いました。その宣誓の全文を紹介します。

宣誓 ここにいる私たちは、高校野球でプレーする選手・マネージャーの姿に憧れて、この世界に飛び込みました。
また野球人口が減少している中でも、思いきり野球をやるための環境を作って下さった方々のおかげで、これだけの仲間と今日この場に立てています。
沢山の方々に野球の世界へと導いていただいた分、今度は私達が野球の魅力を、次の世代に伝える番です。
大好きな野球に夢中になって、白球を追いかけ、一球一打に高校野球人生を懸ける、そんな姿を、未来の野球界を担うたくさんの子供達に届けます。
私はこれまで熱心な指導者の方々や、かけがえのないチームメイトに支えられて来ました。
また何よりも家族の支えがあってこの場に立つことができています。
普段はなかなか伝えられないこれまでの感謝を込め、今まで家族が私に注いでくれた愛をプレーに変えて恩返したいと思います。
そして、この場にいるすべての仲間達と互いのこれまでの頑張りを讃え合って真剣勝負をし、本気の夏を創り上げることをここに誓います。〈令和7年7月5日 選手代表 伊那北高等学校野球部主将 近藤勇之祐〉

注目すべきはこの写真です。長野県高等学校野球連盟ホームページに掲載されたものです。選手宣誓を受けるのが久保村智長野県高等学校野球連盟会長。久保村会長は本校36回生で、元野球部員であり元本校監督です。伊那北高校の主将が元監督の会長へ選手宣誓を行うという、伊那北高校野球部にとって記念すべき瞬間となりました。

 

工事現場から御岳軽石層ー10万年の地史を大観する

4日(金)駒ヶ根市博物館専門研究員の下平眞樹さんが一万円道路の建設現場を調査されました(右上写真)。一万円道路には工事によって削り取られた路肩にみごとな地層が現れています(左上写真)。本日重機で溝を掘削したところ、その下から白土(はくど、伊那カオリン)が姿を現しました。これは10万年前に降り注いだ御岳軽石(テフラ)層(Pm-Ⅰ)です。地下水によって粘土化して不透水層を形成しています(左下写真)。その白い地層の上に薄くレキ層が積もっています。下平さんによるとこれは、西山から運ばれた扇状地の一部。その上には褐色の地層が厚く積もっています。これは「風塵」といって大気中の土が長い年月降り積もってできたもの。さらにその上に赤褐色の地層があります(右下写真)。およそ6万7千~6万5千年前に積もった御岳・三岳軽石層(Pm-Ⅳ)。したがって「風塵」はおよそ3万5千年かけて積もったことになります。御岳・三岳軽石層の上にはレキ層、さらにその上に耕土が乗っています。この工事現場の路肩には伊那谷を形成した10万年の地史が凝縮しています。すぐにブロックに覆われてしまいますので、今しか観られない貴重な姿です。専門家に教えていただき、理解が深まりました。

解体される小体育館をフィンガーアートで残す

27日(金)から開催されたペン祭の企画の一つが、11月から解体される小体育館(昭和37年竣工、大体育館ができる前には新体と呼ばれていた)の記憶をフィンガーアートとして残すことでした。キャンバスは小体の扉。その外面(右上写真)は長年風雨にさらされて、それだけで絵になる趣きです。その内面に手形をつけて作品に仕上げることになりました。生徒会と相談して、絵の具などの制作費用を同窓会から支援することにしました。ペン祭中に小体育館に置かれたキャンバスには来場者の皆さんが思い思いに手形をつけていきます。最期にマスキングテープをはがすと、小体と校章がみごとに浮かびあがりました。扉の両面がアート作品です。この作品は解体工事が始まる前に同窓会館へ移して、小体の記念として保存する予定です。