髙見勝利先生によって「芦部ノート」の読み取りが完成

ご遺族から寄贈された「芦部ノート」

髙見勝利先生によるノートの解説

10月16日(金)、ご遺族から同窓会に寄贈された芦部信喜先生(中17)の27冊のノートの読み取りが完了し、その解説が同窓会事務局に届きました。この作業をご担当いただいたのは、東京大学大学院時代に芦部先生からご指導を受けた髙見勝利先生(北海道大学名誉教授・上智大学名誉教授)。27冊のノートを緻密に読み解かれ、それぞれのノートがいつ頃、どのような目的で作成され、それがどの仕事にどのように反映されているかを詳細に記述いただきました。このノートの中には、「先生の学位論文ともなる『憲法制定権力』論の前提となった、東大法学部での国法学講義のために作成されたノート」や、「ハーバード・ロー・スクール留学中、フロインド教授の『憲法訴訟』セミナーに参加したときのものであり、いまでは先生の代名詞ともなっている『憲法訴訟論』(芦部憲法学)を構築するうえで、いわばその起点とも評しうるメモ帳」等が含まれています。200頁を超える解説の末尾には、芦部先生が東京帝国大学の法学部生時代に宮沢俊義教授の明治憲法の講義を受講した時と、戦後の新憲法制定直後に受講した時に作成したノート(髙見先生が生前芦部先生からコピーされたものを頂き、大切に保存してあったもの)の内容が付け加えられています。髙見先生のご尽力に心から感謝申し上げます。