埋もれていた芦部信喜先生の詩「春」

今年1月に芦部信喜先生(中17)のご遺族より、戦後まもなく赤穗町で自らが編集発行された雑誌『行人』や『伊那春秋』を同窓会へご寄贈いただきました。その中に池上勇司(中19)と下平照夫(中21五卒)が編集した文芸同人誌『山の実』(昭和21年1月)と下平編集の詩集『塑像-A CLAY FIGURE』創刊号=写真左(昭和21年4月)が含まれていました。この『塑像』の中に芦部の詩「春」が登載されています=写真右(芦部が鉛筆で漢字にルビを書き加えてある)。戦後復員学徒として帰郷した昭和21年初春の心境が綴られていて胸を打ちます。芦部もこの年の2月11日に伊那中の同期生とともに『行人』創刊号を刊行しました。昭和21年に相次いで創刊されたこれらの雑誌はいずれも、現存している物はほとんどない状況です。向山雅重の特別寄稿「塩」(『行人』創刊号)や短歌「山峡」12首(『行人』第2号)など、向山研究の貴重な資料も掲載されていますので、今後これらの資料を翻刻していきたいと考えています。