伊那北生が昭和23年に発行した雑誌『學藝』

同窓会館の書庫の中から、新制伊那北高校がスタートした昭和23年度に発行された『學藝』と『季刊學藝Ⅱ』が見つかりました。編輯兼発行人は木下修次さんと北澤明さんの、ともに伊那北高校2回生。旧制中学から23年に新制高校2年に編入された年の二人の仕事です。創刊号の編輯後記には「南校の茅野先生、田沢先生、北校の野溝先生、中村先生にご多忙中にもかかわらず玉稿を下さり」と書かれていますが、先生方の協力を得ながらも中学生や南校生(現伊那弥生ヶ丘高)・上農生・東高生の作品を掲載したり、木下自ら「西駒の植物分布を尋ねて」という科学的な報告を載せています。一高校の枠にとらわれずに幅広く原稿を募っていて、その内容に驚きます。「時事解説」の記事もあり、戦後間もなく盛んになった文化運動が高校にも波及して、そのレベルの高さがうかがえます。第2号は24年3月発行。本文は101ページに増え、さらに内容が充実しています。扉と目次カットは「みすゞ俳句会」主宰の中村六花先生の作品。目次のページ左下隅に六のサインが入っています。この中に芦部信喜先生の妹、芦部玲子さん(伊那弥生ヶ丘4回生)の「志賀直哉の一断面」も掲載されていています。この冊子の印刷所兼印刷人は、西春近村小出の「聖光房」の黒河内貢さん。卓越した技術と美的センスが光っています。謄写版印刷の一つの到達点ではないでしょうか。