『わが子に語る 高遠山里の暮らし』が刊行されました

3日(日)、郷土史研究家として活躍した北村勝雄さんが郷土誌『伊那』に投稿した論考24篇を収めた『わが子に語る 高遠山里の暮らし-江戸から昭和の回顧録-』〈発行者:北村勝彦〉(写真)が刊行されました。平成5年に高遠町図書館から同館歴史叢書第14『わが子に語る』、第17『続・わが子に語る』の手製冊子として出版されていたものです。北村勝彦さん(中21五卒=勝雄さんの長男)から「かねてよりこの2冊を1冊にまとめ、文字を大きくして読みやすいものにしたいと考えていた」事を聞いた北澤みち子さん(高20=勝雄さんの次女せつさんの娘)が編集を手がけ、このたびの出版に至ったものです。北澤さんは本書のまえがきに「このたび叔父からこの思いを聞いて、改めて『わが子に語る』を一字一句読み進めると、祖父の著者『高遠城と藩学』(名著出版会)のような難しい論考とは異なり、江戸末期、明治、大正、そして昭和へ変遷する高遠近郊の山里の暮らしぶりや、小藩の武士のありようが丹念に描かれていて、すっかり心奪われた」と記しています。昨年10月に北澤さんから相談を受けた事務局は、デジタルデータ化などのお手伝いをしてきました。一流の郷土史研究家が自身の体験を通して語る内容は、歴史学的にも民俗学的にも大変貴重で、当時の人々の生活がありありと甦ってきます。北村家3代にわたる皆さんの思いが結実した1冊です。